掃除の基本・3 クエン酸

1、掃除におけるクエン酸の働き

クエン酸は、水垢(あか)・石鹸(せっけん)のカス・アンモニア(トイレの臭気)、
といった、アルカリ性の汚れを落とす薬剤です。

レモンや梅干し等に使われる有機酸の一種で、

白くて顆粒(かりゅう)状で無臭ですが
舐める(なめる)と酸味があります。ただし、舐めて良いのは食用のみ。

サプリメントの成分としても、よく使われます。

 

2、入手方法および代用品

日本薬局方(にほんやっきょくほう・厚生労働省の定めた医薬品の規格基準書)
に基づくクエン酸は薬局で売られています。

清掃用・洗濯用はインターネットの通販となります。

また、クエン酸と成分が似ている酢(調味料の入った寿司酢以外)でも
代用出来ますが、
その際、水で5~6倍に薄めます。

穀物酢・米酢・純米酢・リンゴ酢等ありますが、効果はほぼ同じです。

 

3、汚れが出来る過程と中和・溶解・洗浄作用

バスルームや洗面所には、水栓金具等の周囲に、
白い汚れがこびり付いていることがあります。

これは、水の中に含まれるカルシウム石鹸と人間の皮膚に含まれる脂肪酸
反応して出来る汚れです。

また、清潔な水でも、
時間が経つと水中のカルシウムがこびりついて、水垢になります。
例えば、洗面器以外にも、洗濯機、食器洗い機・コーヒー・メーカーの中もそうです。

こうしたアルカリ性で固形化した汚れを、
酸性のクエン酸で中和・溶解させて落とす訳です。

なお、洗面器やトイレを掃除する時は、

それらの汚れている箇所に、
後述するクエン酸水を馴染ませた(なじませた)湿布やトイレット・ペーパー等を
1時間程度当てて汚れを解し(ほぐし)ます。

 

4、クエン酸の使い方

クエン酸は、そのまま粉末で使うか、水に溶かしてそのまま使うかの、
どちらかになります。

残念ながら、水に溶けることで、
重曹(じゅうそう)のようなクレンザー効果はありませんが、
水垢等の汚れに直接掛けて、こすり洗いが出来ます。

また、フローリングの床の拭き掃除の時にも使えます。

 

【クエン酸水の作り方】

水400gにクエン酸小匙(さじ)2杯を入れ、よく溶かします。

スプレー・ボトルに入れる場合は、重曹と同じく、
長く使わないと、粉が乾燥して、噴射口が詰まるので注意です。

 

5、取り扱い注意事項

市販のアルカリ洗剤にクエン酸を混ぜるのは危険ですので控えて下さい。
洗浄力をダウンさせる可能性もあります。

また、塩素系の洗剤と混ぜると、有毒ガスを発生させます。

確かに、重曹にクエン酸を加えると、二酸化炭素の泡が発生し、
強力な力で落とすことが出来るのも理屈ですが。

個人的な経験としては、

汚れのしつこい便器の洗浄ですら、
酸性への対処とアルカリ性への対処を時間をおいて交互に何度か繰り返すことでも、
かなり綺麗になります。

まずは、こういう安全策で様子を見ることをおすすめします。

なお、使用期限ですが、

クエン酸は高温多湿を嫌うことで、
密閉容器に入れて冷暗所で保管すれば、2、3年は持ちます。

40℃以上の高温になると、固まることがあります。

 

【主要参考文献】
日本ハウスクリーニング協会『かんたんナチュラルおそうじ術』

掃除の基本・2 重曹(じゅうそう)

はじめに

前回の記事では、汚れの性質の分類とその対策の概要について触れましたが、
特に面倒なのは、やはり、薬剤を使わないと落ちない汚れです。

しかしながら、薬剤にも色々あります。

特に、効き目の強いものや用途に合わないものを使うと、
床や壁等を傷めて逆効果になる恐れがあるので注意が必要です。

そこで、以降何回かは、
手頃な値段で入手可能で、割合副作用が弱く汎用性の高い薬剤を、
いくつか紹介しようと思います。

 

【掃除用の薬剤選びのポイント】

薬剤を選ぶ際には、
以下のような点に注目すべきです。

1、まず、大抵の薬剤は油汚れを落とす効果があります。
  言い換えれば、汚れの大半は油に起因するものです。

2、油汚れの洗浄効果の他、pH(ペーハー)や副作用、
  薬剤に応じた性質があります。

3、その他、掃除以外の用途に使えるものもありますし、
  一方では、薬剤の代用として調味料が使えるケースもあります。

4、家庭用の掃除の薬剤につき、
  それ程危険なものはありませんが、
  念のため、注意事項の遵守を御願いします。

以上の点を睨み(にらみ)つつ、用途に応じるかたちで、

金銭的にも収納スペースの点でも、
効果的で無駄のない薬剤を選択・使用しましょう。

 

1、重曹の効果とは?

恐らく、手頃な薬剤の筆頭格と言うべきものが、重曹(じゅうそう)
恥ずかしながら、私もこれを知ったのは最近ですが、非常に重宝します。

食用(後述)の場合、
ドラッグ・ストアでパウダー状のものが、1㎏400円前後で販売されています。

別名:ベーキング・ソーダー。科学用語では、炭酸水素ナトリウム

酸性の油汚れを中和させ、落としやすくさせる薬剤です。

また、粒子が細かく水に少しずつ溶けるので、
穏やかな研磨(けんま)作用があります。

さらには、汚れや臭いを吸着する性質もあるので、
そのまま蓋(ふた)の空いた瓶(びん)等の容器に入れて
脱臭剤として使うことも出来ます。

その際、2ヶ月程度は消臭の効果があり、使用後は掃除に再利用できます。

また、重曹は、古くから、
掃除は元より、消化を助ける胃薬としても使用されています。

また、天然成分で出来ていることで、
人体に優しく、掃除に使って水に流しても川や海を汚しません。

 

2、中和作用

重曹は弱アルカリ性につき、
酸性の汚れを中和して、水溶性にする働きがあります。

油汚れの他には、手垢(あか)や皮脂等も酸性の汚れです。

したがって、重曹水を換気扇や家電等にスプレーしてから拭き掃除をすると、
非常に効果的です。

 

【重曹水】

水500mlに重曹大匙(さじ)2杯を混ぜます。
重曹が水に溶ける限度は8%につき、この範囲で収めます。

また、しつこい油汚れの場合は、水温を上げることで対応します。
拭き掃除であれば、40~45℃、付け置きれあれば60℃前後。

また、スプレー・ボトルに入れて長期間保存すると噴射口が固まるので、
注意が必要です。

 

【重曹水の効果的な使用例】

また、個人的な意見ですが、
非常にコスト・パフォーマンスに優れています。

1㎏400円程度の商品につき、
スプレー・ボトル1杯分のコストはタダのようなものです。

残念ながら、液体石鹸程の即効性や洗浄高価はありませんが、
当然無価値ということはありません。

例えば、しつこい油汚れを落としたいが、高価な液体石鹸も節約したい場合、
汚れに対して重曹水を撒布して少し放置すると、非常に効果的です。

謂わば(いわば)、戦争でいうところの、
敵陣のトラップや遮蔽物を除いて攻撃部隊の進路を確保する工兵

野球でいうところの、選球眼があり送りバントの巧い2番打者
といった補助的な役割を果たします。

したがって、しつこい油汚れを落としたい場合、

まずは重曹水を何度も撒いて油の塊を出来るだけ除去し、
その後、締めとして液体石鹸を使うのが効率的な方法ではないかと思います。

 

3、研磨作用

細かい粒子でしつこい汚れを落とします。

穏やかな研磨作用なので、
対象の表面を傷付けることなく、汚れだけを落とします。

例えば、プラスチックに使っても、
傷が付くことはありません。

 

 

【重曹のペースト】

壁面や凹凸のある場所の汚れを取る時等に使います。

水1:重曹2~3が基本。
重曹に少しづつ水を加えながら作ります。

乾燥すると固まるので、作ったらすぐ使います。

特に、日本海側の晩秋から冬は悪天候の日が多く湿度が高いので、

換気を怠る(おこたる)と窓ガラスが結露を起こし、
すぐにクロスやカーテンにカビが生えます。

私もこれで痛い目を見ました。

こういう場合に重宝するのが、この重曹ペーストです。
汚れを落とした後は、水拭き等で中和します。

ただし、床に溢さない(こぼさない)ように注意。
フローリングが白くなります。

床と壁のつなぎ目に新聞紙等を敷くと良いでしょう。

 

4、その他

重曹は酸と混ざると発泡して反応します。
排水口等、手の届きにくい部分の掃除は、これで行うと便利です。

また、キッチンやバスルームに、
粉の重曹をそのまま掛けたり、状況に応じて湿らせたりする方法もあります。

最後に、品質の基準ですが、
「薬用」と「食用」があります。

薬用は医薬品の許可を受けたもので、純度が一番高く、
次いで高いのが食用。商品のラベルに「食品添加物」と表記されています。

食用は薬用に比べて純度は低いですが、安価です。

因みに(ちなみに)、私が使っているものは食用ですが、
クロスや遮光カーテンのカビは食用でも十分落とせます。

 

【主要参考文献】
日本ハウスクリーニング協会『かんたんナチュラルおそうじ術』